もしオタ 〜もしもリアルお察しオタクがクラス対抗サッカー大会に出場したら〜

僕の学校の高3の恒例行事の中に
「クラス対抗昼休み対抗サッカー大会」
というものがあります。
まさにウェイ系の祭典ですね。もともと肩身の狭い僕ら陰キャラオタクをさらに隅っこに追いやる悪しき行事です。


しかもクラス毎にオリジナルのユニフォームを作らなければいけないらしいので、使いもしないユニフォームのために2160円も払わなければいけない。クソすぎる


と心の中で思っていても、口には出せないし自分のユニフォームとかカッコイイからサッカー部のイケメンに
「お前もユニフォーム作るだろ?背番号何がいい?」
と聞かれると
「何番が空いてる?俺20番台が良いんだけど…」

と、ノリノリで答えてしまうのがオタクの悲しい性

結局背番号は空きが無かった為44になり、皆には不吉だから近寄るなと言われてしまいました #24空いてたけど女子に譲った #自己主張の弱いオタク


試合当日、ウェイ系が誰をスタメンにするか楽しげに議論し合う隣で僕は静かに星空凛の可愛さについて考察していた。
やっぱり…凛ちゃんの…スカートを…最高やな! 

1人でニヤニヤしていると関西弁の野球部が
「そういえばお前サッカー出来るやん、相手理系クラスだし出てええよ笑」
と言ってきた。
キツイ。このサッカー大会は割とビッグイベントなので他学年、他クラス(もちろん女子も)が観戦している。そこで僕みたいな貧弱オタクが出たら叩かれるに決まってる。
しかし、次の瞬間僕は
「15分で試合決めてやるよ」
とニヤニヤしながら答えていた。




昼休みになり、僕は早弁をしていたのでいち早くユニフォームに着替え、ピッチに立つ。気分は天谷リヒト。

サッカー部のイケメンに
「お前前か後ろどっちがいい?」
と聞かれ、
僕「(後ろの方が好きだしやりやすいけど前の方が目立つよな…)前いくわ」 
関西弁野球部「じゃあお前ワントップな」
僕「!?」


おかしい。
軽い気持ちで前がいいと言ったらチームの主軸に据えられてしまった。


試合開始のホイッスルが鳴った。
ワントップらしいので最前線に立つ。緊張ヤバイ。今思い返すと明らかに足震えてた。


僕は体育の選択授業でサッカーを選択していて、人並みにサッカーは出来る。筈だったのだが、

足が動かない。ボールを貰っても足がおぼつかないのでドリブルが出来ない。

関西弁野球部からは「何してんねんもっと前出ろや!」とダメ出しを食らう。


開始五分、僕の後ろにいるはずのボランチが前に出てきてゴールを決めた。



周りの選手、ベンチも僕が明らかに動けていないことに気付き、交代の指示を出してきた。ホッとしながらベンチに駆け寄ると、交代で出る筈の選手がいない。仕方ないからピッチに戻る。動けない。

誤魔化しながらプレーしてもミスが続く。しかし交代出来ない。いつしか声援が「○○代われ」の声に変わっていった。


開始15分、最大のチャンスがやってくる。

サッカー部のイケメンがゴール近くで囲まれていたので僕にパスを出してきた。

フリー。ゴール前。絶好のチャンスだ。トラップする。しかし、ボールは僕の足の下を通り過ぎて行った。



そこから先のことはよく覚えてないです。


午後の授業中は散々そのネタでいじられ、それに反応してたら僕が先生に机バーンッてされて怒られました。



【教訓】                                                      

オタクはスポーツをするな。ましてやクラスのノリで調子に乗るといつか痛い目に合う



【追記】この大会はリーグ戦のため、次の試合での僕のスタメン出場が早くも決まりました。